建築を旅してplus
北海道開拓の村 編(Ⅴ) ①
旧山本消防組番屋

この建物は、札幌の水田農村であった山本地区にあった消防用具の格納庫です。
消防組織は大正8年(1919)頃からの自警団を前身とし、のちに山本消防組となりました。
昭和45年(1970)まで、使用された建物を再現したものです。
火の見櫓を持つ番屋は、道内農漁村の小規模な消防組織に多くみられ、防災や治安の中心施設でもありました。
建築年代 大正後期(再現建造物)
旧所在地 札幌市厚別区厚別町山本
建設年度:大正後期
面積:19.83㎡(6.00坪)
構造:木造平屋建
復元年:1986年(昭和61年)
北海道開拓の村 編(Ⅴ) ②
旧菊田家農業住宅

明治19年(1886)、新潟県長岡の有力者であった大橋一蔵や関矢孫左衛門などは、越後農民による北海道開拓を計画して北越殖民社を組織しました。
この建物は、その一員の新潟県魚沼郡出身者が移住直後の明治26年(1893)頃に建築し、のちに同じく南蒲原郡出身の初代菊田常吉が買い受けて居住したものです。
建築年代 明治26年(1893)頃
旧所在地 江別市西野幌
面積:129.05㎡(39.04坪)
構造:木造平屋建(小屋裏2階)
復元年:1986年(昭和61年)→1988年(昭和63年)
寄贈者:菊田 常吉
北海道開拓の村 編(Ⅴ) ③
旧山田家養蚕板倉

開拓使は、屯田兵の授産事業として養蚕を奨励し、琴似兵村ではその成果がみのって、屯田兵のなかに独自の養蚕施設を持つ人も現われました。
この板倉は、屯田兵として入植した山田家が建てたもので、草創期のくらしぶりを伝える数少ない建物の一つです。
建築年代 明治14年(1881)頃
旧所在地 札幌市西区琴似1-6
面積:19.83㎡(6.00坪)
構造:木造平屋建
復元年:1976年(昭和51年)→1985年(昭和60年)
寄贈者:山田 勝夫